丁寧に、生きていく

よく食べよく買いよく眠る

炊飯器を手放した話。

お題「面倒だけど、やってみると意外と楽しいこと」

一人暮らしの自炊はコスパが悪い。とつい最近まで本気で思っていました。
メニューを決めて、買い物に行って、狭いキッチンでストレスを感じながら料理をして、
食べるのは一瞬。鍋にざるにお皿に茶碗、包丁、お玉、洗って乾かして片付けて…
油を使えばコンロは汚れるし生ゴミも出る。掃除も面倒。
そもそも私は料理が苦手で、世の中には美味しいものが溢れてるのにわざわざ自分の大して美味しくもない料理を食べる必要性がどこにあるのか。米だけは実家から送られてくるので炊いていたけど、炊飯器以外の調理器具すらほとんど持っていなかったくらい。
できるだけ効率よく、楽して生きたいと思っていたけど、どういうわけだか急に考えが変わって自炊するようになりました。きっかけになるような何があったというわけではない。ただなんとなく丁寧に生活してみたくなった。
八百屋で店主とお話ししながら野菜を選んでみたり、この料理にはこのお皿が合うかな〜と器を眺めたり、自炊を始めると今まで素通りしていた世界が急に輝いてみえるようになる。
映えを気にしなければ自炊は楽しい。最悪焼き肉のタレかめんつゆを使えばなんとかなる。スープにはコンソメさえ入れとけば美味しくなるし。
最近では鍋でお米を炊くという技を習得して、とうとう炊飯器を手放した。鍋で米を炊くなんてこの世で一番めんどくさいことのひとつでは??と思ってたけどやってみるとそうでもない。思っていたよりも早く炊けるし、たまに失敗しちゃうけど、米が炊けていく様子を眺めてるだけでちょっと癒される。…疲れてる?
私は自他(主に父)ともに認めるレベルのめんどくさがりだけど、めんどくさそうって先入観で損してきたこといっぱいあったのかもなあとも思う。
人はモノにお金を使うより、経験にお金を使う方が満足感が高いらしい。ってこの間立ち読みした本にそんなようなことが書いてあった気がする。
今年はいろんなめんどくさいことに挑戦する年にしたいです。来年も。